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排泄介助やオムツ交換、最初は本当に戸惑いますよね。
「やり方がよくわからない」「嫌がられたらどうしよう」「漏れてしまわないか心配」——そんな不安を抱えながら、腰の痛みにも耐えながら頑張っている方も多いのではないでしょうか。
でも、実はオムツ交換は事前の準備とちょっとしたコツで、ぐっと楽になります。体の使い方や手順を知るだけで、負担も不安も大きく減らせるんです。
この記事では、現場経験をもとに以下のことをやさしく解説していきます。
・初心者でも分かるオムツ交換の基本
・横漏れしにくいパットの当て方
・腰を痛めにくいやり方
・無理をしないための考え方
読み終えるころには、「オムツ交換はこんな感じでやるんだ」とイメージが持てるようになります。
排泄介助・オムツ交換とは?
一言でいうと
排泄介助とは、トイレやオムツを使った排泄をサポートする介護のことです。
なぜ負担が大きいのか
排泄介助が大変に感じる理由は主に3つあります。
・身体的にきつい(中腰・持ち上げ動作)
・においや汚れへの抵抗感
・相手に気を使う精神的負担
「これでいいのかな」「やり方は合ってるのかな」と不安になりやすい場面でもあります。最初は戸惑ってしまうのが当たり前です。
オムツ交換の基本(役割と大切なこと)

オムツ交換は単なる作業ではなく、清潔を保ち、皮膚トラブルを防ぐ大切なケアです。ポイントは3つあります。
✅ 清潔にする
尿や便で汚れたままだと、感染症や皮膚トラブルの原因になります。
✅ 皮膚を守る
放置すると褥瘡や赤み、ただれにつながります。
✅ 安心してもらう
汚れたままの状態は、気持ち的にも不安やストレスになります。急ぐよりも「安心できる関わり」を意識することが大切です。
腰を痛めないオムツ交換のコツ
まずはこの流れだけ覚えればOK
難しく感じる方は、まずこの簡易版だけ覚えてください。基本的な対応はこれで十分です。
完璧にやろうとせず、まずは「汚さない・冷やさない」だけで100点満点ですよ。しっかりフィットしていてズレていなければOKです。
最低限おさえたいポイント
- 前から後ろに優しく拭く
- パットはギャザーの中に収める
- きつすぎず、ゆるすぎず固定する
体の使い方(腰を守るために)
膝を使う ——足を前後に開いて膝を曲げ、重心を落とすのがポイントです。
体をひねらない ——必要以上にひねるとぎっくり腰の原因になります。
できるだけ相手に近づく ——遠いほど腰への負担が増えます。
「持ち上げる」ではなく「転がす」 ——力任せに持ち上げると負担が大きいので、ゆっくり転がすような感覚で。
現場でも、無理に持ち上げて腰を痛めるケースはとても多いです。「頑張って持ち上げていたけど、横向きにするだけで楽になった」という方も実際に多くいます。

オムツ交換の具体的な流れ(詳細版)
① 排尿のみの場合
まず準備を整えましょう
新しいオムツ・パット・使い捨て手袋・お尻拭き・新聞紙 or ビニール袋(・必要なら保湿剤)
新しいオムツとパットは、あらかじめ開いてセットし、「あとは巻くだけ」の状態にしておきます。
なぜ先に準備するの? 途中で取りに行くと、
・その間にご本人が動いて転落する危険がある。
・取りに行っている間、恥ずかしい気持ちなることや、寒いと感じることがある。
・取りに行っている間、ご本人が気になって陰部やお尻を触ってしまいと手が汚れてしまう可能性がある。
「すべて手元に揃えてからスタート」が基本です。
「お尻が汚れていないか、状態を確認させてもらいますね」
認知症の方でも羞恥心はあります。安心してもらえるよう、やさしい声かけから始めましょう。
「ベッドの高さを少し上げますね」
介助者が腰を痛めないよう、自分の腰の高さに合わせます。新聞紙はベッドの横の床に置いておきます。
手袋をつけてから前側を開きます。尿・便の状態と、陰部周辺に赤みやかぶれがないかチェックしましょう。
開く時はマジックテープで擦らないようにテープの先を折っておきます。
「横を向きますね」と声をかけます。
汚れたパットだけ取り出して新聞紙の上に置き、お尻周辺の皮膚もチェックしておきます。
柵を持てるかたの場合は柵を持ってもらい、難しい場合は背中にクッションを入れたり、軽く膝を入れたりして両手を使えるようにするとやりやすいです。
倒す方向とは逆の膝を立てておくと横へ向けやすいです。
横を向く際、尿が漏れてシーツが汚れてしまわないように、オムツの前側を向いた方向に出しておくともし尿漏れがあっても汚れにくいです。
新しいオムツとパットを重ねてギャザーをしっかり立て、汚れたオムツの下に差し込みます。
汚れたオムツを先に外してしまうと、その時に排尿や排便があるとシーツや新しいオムツが汚れてしまいます。
準備ができてから汚れたオムツを外すのが汚れにくい順番です。
ポイント:パットのみしか汚れていない場合、パットだけ交換するとオムツ本体の使用回数が減リます。
絶対にセットで交換しないといけないわけではありません。
お尻拭きで前から後ろに向けて優しく拭き取ります。
細菌が尿道に入るのを防ぐため、必ず『前(尿道側)から後ろ(お尻側)』の一方向に拭きましょう。
強くこすると皮膚が傷つく可能性があります。優しく押し当てるように拭きましょう。
保湿剤がある場合はこのタイミングで塗ります。
仰向けに戻して、足の付け根にパットとオムツを沿わせながら前側に持ってきます。
太ももの寄せられる部分がある場合、寄せながらしっかりと沿わせるのがポイントです。
位置:足の付け根にしっかり沿っているか
しっかり沿っていないと隙間から横漏れしてしまう可能性が高まります。
ギャザー:内側のギャザーが立っているか
パットのギャザーが寝てしまっていると、そこから尿が伝い漏れします。指でなぞってしっかり立たせるのがコツです。
バランス:テープを止めた後、左右が均等か
どちらかに偏っているとテープが短い方から横漏れする可能性が高まります。
きつさ:テープを止めた後、お腹とオムツの間に指が2本入るくらいの余裕があるか
きつすぎるとしんどいですし、緩すぎると漏れやすくなります。これが呼吸を妨げない快適な目安です。
💡 嫌がるときは無理しない 「また後で来ますね」と声をかけて、いったん離れることも大切です


下のイラストでは並行に留められていますが、左右対称かを見てもらえたらと思います。
テープの留め方は上のイラストのクロス留めがフィットしやすいです。
「また後で来ますね」と声かけて、いったん離れることも大切です。
② 排便ありの場合
便が皮膚についたままにしておくと、かぶれや感染の原因になります。お湯を使った洗浄を行い、皮膚を清潔に保ちましょう。落ち着いて、丁寧に対応することが大切です。
まず準備を整えましょう 📦
陰洗ボトル(ぬるま湯)・泡タイプの陰洗ソープ(または拭き取り不要タイプ)・お尻拭き(多め)・防臭袋(BOSなど)・フラットシート・バケツに熱めのお湯をためておく・下用タオル(濡らす用)・下用タオル(拭き取る用)・トイレットペーパー
陰洗ボトルはペットボトルで代用できます。ぬるま湯(38℃前後)を入れておきましょう。
バケツのお湯はタオルに濡らすと温度が下がってしまうので少し熱めのお湯を準備します。
(火傷を予防するため、自分の手首に少しかける、直接触るなどで温度の確認をしておくと安心です。)
「排泄の状態を確認させてもらいますね」と声をかけてから始めます。
「少し確認させてくださいね」と穏やかに伝えると、本人の緊張や羞恥心を和らげることができます。
「ベッドの高さを少し上げますね」と伝えながら調整します。
介助者自身の腰の高さに合わせることで、腰への負担を大幅に減らすことができます。
手袋を3枚つけてから前側を開き、排便の量・範囲・皮膚の状態を確認します。
(なぜ3枚か→陰部洗浄、おしり洗浄、塗布薬や保湿剤の塗布の3回で汚れをリセットするためです)
開く時はマジックテープで擦らないようにテープの先を折っておきます。
便が広範囲の場合は陰部洗浄をする前にトイレットペーパーを使って大まかに拭き取ると、動いた時に汚染しにくくできます。
陰部洗浄をする前にフラットシートを敷き、陰部洗浄時のお湯が流れて汚れるのを防ぎます。
フラットシートがない場合は、大きなゴミ袋を切って広げその上に、不要なバスタオルを敷いたりすることで代用は可能です。
最初にトイレットペーパーで前側の便をある程度拭き取っておきます。
その後、便で汚れてしまっているパットを外し、新聞紙の上に置きます。
「洗っていきますね」と伝えて、泡洗浄剤を陰部周辺につけて陰部洗浄ボトルのお湯をかけながら念入りに洗う。その後、手袋を1枚外します。残り2枚です。
1回陰部洗浄したら外して、綺麗な手袋で次のステップに進むイメージです。
ここでしっかり洗っておかないと、尿道などに細菌が入り、感染症や皮膚トラブルの原因になってしまう可能性があります。
「横を向きますね」と伝えて、体を横向きにします。
柵を持てるかたの場合は柵を持ってもらい、難しい場合は背中にクッションを入れたり、軽く膝を入れたりして両手を使えるようにするとやりやすいです。
倒す方向とは逆の膝を立てておくと横へ向けやすいです。
汚れた面を内側に折り込むようにオムツをたたみながら、お尻周辺の皮膚の状態もチェックしておきます。
おしりもトイレットペーパーである程度便を拭き取っておきます。
オムツに便で汚れている箇所があればそこを拭き取ったペーパーで隠し、再度触れて汚れてしまうのをできるだけ防ぎます。
お尻拭きを使い、必ず前から後ろへ向けて拭き取ります。ごしごしこすらず、押し当てるように拭きましょう。
水分はトイレットペーパーも使いながら押し当てて拭き取ります。
細菌が尿道に入るのを防ぐため、必ず『前(尿道側)から後ろ(お尻側)』の一方向に拭きましょう。
水分が残ってしまっていると湿潤から皮膚トラブルにつながる可能性もあります。
お尻に泡洗浄剤をつけて洗い浮かせた後、ぬるま湯を陰洗ボトルで少しずつかけながら、皮膚の汚れを丁寧に洗い流します。
お湯は38℃前後が目安です。熱すぎると火傷の原因になってしまいます。不安な場合は、自分の手首に少しかけてみて大丈夫か判断してみるといいと思います。
まずお湯で絞った濡れたタオルでおしりを拭きます。拭いた後はバケツへ。その後お尻拭きや柔らかいタオルで、皮膚に残った水分を押し当てるように吸い取りましょう。
その後、2枚目の手袋を外し、残り1枚になります。
保湿剤が必要な場合は、残り1枚の綺麗になったこのタイミングで塗布します。
新しいオムツとパットを重ねてギャザーをしっかり立て、汚れたオムツの下に差し込みます。
パットのギャザーが寝てしまっていると、そこから尿が伝い漏れします。指でなぞってしっかり立たせるのがコツです。
その後、汚れたオムツを外し、最後の手袋を一緒に新聞紙の上に置きます。
汚れたオムツを先に外してしまうとその際に排尿してしまい、ベッドや新しいオムツが汚れることがあります。
汚れたオムツを外して新聞紙の上に置き、仰向けに戻して、足の付け根にパットとオムツをしっかり沿わせながら前側に持ってきます。
位置:足の付け根にしっかり沿っているか
しっかり沿っていないと隙間から横漏れしてしまう可能性が高まります。
ギャザー:内側のギャザーが立っているか
パットのギャザーが寝てしまっていると、そこから尿が伝い漏れします。指でなぞってしっかり立たせるのがコツです。
バランス:テープを止めた後、左右が均等か
どちらかに偏っているとテープが短い方から横漏れする可能性が高まります。
きつさ:テープを止めた後、お腹とオムツの間に指が2本入るくらいの余裕があるか
きつすぎるとしんどいですし、緩すぎると漏れやすくなります。これが呼吸を妨げない快適な目安です。
「手順が多くて難しそうに見えるかもしれませんが、全部一度にできなくて大丈夫です。まずは『手袋を重ねてみる』『お湯を準備してみる』といった、できそうなところから一つずつ試してみてくださいね。」
💡 嫌がるときは無理しない 「また後で来ますね」と声をかけて、いったん離れることも大切です
| 比較項目 | ① 排尿のみの場合 | ② 排便ありの場合 |
|---|---|---|
| 所要時間の目安 | 5〜10分 | 10〜20分 |
| 準備するもの | 少なめ | 多め(陰洗ボトルなど) |
| 洗浄の必要性 | 基本は清拭のみ | お湯での洗浄が必要 |
| 介助者の負担 | 比較的少ない | 大きい |
| 主なリスク | 皮膚の蒸れ・かぶれ | 感染・皮膚トラブル |
洗浄という工程が増える分、準備物も時間も増え、負担も大きくなります。ただし、排尿のみの場合でも皮膚の状態が気になるときは洗浄しても問題ありません。

においが気になるときの対策と工夫
✅ 新聞紙でくるむ
汚れたオムツを新聞紙でくるむと、においが抑えられるうえ見た目にも配慮できます。
✅ 防臭袋を使う
「BOS(ボス)」などの防臭袋があると、夜間でも室内が快適に保てます。
✅ 防水シーツを活用する
丸洗いできる防水シーツを敷いておくと、シーツ全体を替えずに済むので交換がぐっと楽になります。
なんとかしなきゃ…と一人で抱え込んでいませんか?
体力的にきつい、腰が痛くなってきた、排便時の対応が不安、時間や気持ちに余裕がない——そう感じたときが、サービスを頼るサインです。無理に一人でやり続ける必要はありません。
使えるサービス
介護サービスは、要介護認定を受けている方が利用できます。
自宅に来てオムツ交換をしてもらえます。日常生活のサポートも対応しており、一番利用しやすいサービスです。
デイサービス
日中、施設で過ごしながらケアを受けられます。入浴や排泄介助も対応しており、家族の負担軽減にもつながります。
短期間、施設に宿泊できます。介護が難しいときの一時的な利用や、急な予定のときにも便利です。
「全部やる」ではなく「頼る」選択も、立派な介護のやり方です。
▶ 訪問介護(ホームヘルプ)に任せる方法
他の方法との比較
| 方法 | 特徴 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 自宅での介護 | 自分で対応 | 自由にできる | 負担が大きい |
| 施設 | 専門スタッフが対応 | 安心・安定 | 環境の変化がある |
| サービス併用 | 必要なときだけ利用 | バランスが取りやすい | 調整が必要 |

よくある質問
Q. 嫌がる場合はどうしたらいい?
「また後で来ますね」と声をかけて、いったん離れましょう。気持ちが落ち着くと、受け入れてもらえることも多いです。無理に続けるより、時間をおく方がうまくいくケースがほとんどです。
Q. どのくらいの頻度で交換する?
排尿は数時間ごと、排便はすぐに交換するのが基本です。放置すると皮膚トラブルの原因になります。
(参考:日本褥瘡学会)
Q. 皮膚がかぶれやすいのですが、どうしたらいいですか?
こまめな交換と、洗浄後の丁寧なケアが大切です。ポイントは、拭く(こすらない)、しっかり乾かす、保湿剤を使う——この3つの積み重ねが大切です。
(参考:日本褥瘡学会)
まとめ——これだけ覚えればOK
📝 まとめ
- まずは簡易版の流れを覚える
- オムツを整えるときは「位置・ギャザー・バランス」の3点を確認する
- 排便時は洗浄が必要になる
- 腰を守る体の使い方を意識する(膝を使う・転がす感覚で)
- 大変なときはサービスを頼る
最初はうまくできなくて当然です。まずは簡易版から、少しずつ慣れていきましょう。
オムツ交換は、最初はとても大変に感じます。でも、やり方とコツを知るだけで負担は大きく減ります。大切なのは「完璧にやろうとしないこと」「一人で抱え込まないこと」「頼るものは頼ること」——できることからで大丈夫です。
この記事で紹介している方法は、筆者が15年の経験の中で工夫してやってきている方法です。人それぞれ合うやり方は異なっていると思いますし、やっていく中で自分なりのやり方も見つかると思いますので、参考程度に思ってもらえるといいかなと思います。
「完璧にやらないと」と思わず、無理はせずにできる範囲で少しずつ慣れていくのがいいかなと思います。
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参考文献・出典
読んでみてどうだったかな?という感想や、「今日も疲れたよ」と言った軽い一言、
これってどうなの?という疑問など下のコメント欄に自由に残していってくださいね。
仕事の合間や休みの日にでも、大切に読ませていただきます。

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