📅 この記事の情報は2026年4月時点のものです。最新情報は各自治体や厚生労働省のウェブサイトでご確認ください。
仕事をしながら介護を続けているなかで、「もう限界かもしれない」「この先どうなるんだろう」と感じている方も多いのではないでしょうか。
特に介護が始まって間もない頃は、何から手をつければいいのか分からなかったり、仕事と両立できるのか不安になったり、先の見通しが全く立たなかったりと、心も体もすり減ってしまいやすい時期です。
この記事では、介護経験15年の社会福祉士・介護福祉士の視点から、介護を一人で抱え込まなくていい理由と、無理なく続けていくための実践的な方法をわかりやすくお伝えします。最後まで読むと、今日から動けることが一つでも見えてきます。
まずはここから|今の状況を整理するチェックリスト
「何から始めたらいいか分からない」という方は、まず今の自分の状況を確認するところから始めてみましょう。
✅ 家族と介護の役割について話し合った
誰が何を担当するか決めるだけでも、日々の負担はずいぶん変わります。
→ 【保存版】家族介護で無理しないための考え方|頑張りすぎないコツをやさしく解説
✅ 相談できる場所(地域の窓口・専門職)を知っている
一人で悩まずに済む場所を知ることが、介護の大切な第一歩です。
→ 地域包括支援センターとは?介護初心者が最初に頼るべき相談窓口をわかりやすく解説
→ ケアマネジャーとは?役割と選び方をわかりやすく解説
✅ 介護サービスについて調べたことがある
訪問介護やデイサービスなど、使えるサービスを知っているだけで、気持ちに余裕が生まれます。
→ 介護サービスの種類と選び方|初心者でも迷わない基本ガイド
✅ 職場に相談する準備をしている
介護休業や時短勤務などの制度は、早めに動くほど活用しやすくなります。
チェックが一つもついていなくても全く問題ありません。一つでも当てはまるなら、もうすでに動き始めています。
なぜ「つらい」と感じるのか

仕事と介護の両立がつらくなるのは、あなたの頑張りが足りないからではありません。次のような状況が重なりやすいことが、その大きな理由です。
📋 先が見えない不安
介護がいつまで続くのか分からないため、「ずっとこのままなのか」という気持ちが積み重なりやすくなります。早めにどうなったらどのようなサービスを使えばいいかなど調べておくと不安も軽減されます。
📋 体力的なきつさ
仕事と介護を同時にこなしていると、睡眠が削られたり、慢性的な疲労がたまってきたりします。毎日同じペースで頑張り続けることは、思っている以上に体への負担が大きいものです。
実際に在宅で介護されているご家族から聞いた話ですが(介護保険ではなく障がいのある方のケースでしたが、状況としては同じです)、夜中に何度もトイレ介助で起こされて慢性的な睡眠不足になり、イライラが積み重なって夫婦喧嘩になることが増えた、とおっしゃっていました。「仕事がしんどいというより、もう自分が壊れそう」という言葉が今でも印象に残っています。体の疲れだけでなく、気持ちの余裕まで失われていく——仕事と介護の両立で起きやすい、本当によくある状態です。
📋 職場への申し訳なさ
「休んで迷惑をかけたくない」「評価が下がるかもしれない」という気持ちから、無理をして働き続けてしまう方は少なくありません。こうした罪悪感が、心の疲れをさらに重くしていることがあります。
📋 制度を知らない、または使いにくい
介護休業や時短勤務などの制度は存在していても、知らなかったり使い方が分かりにくかったりすると、結果として介護をすべて自分で抱え込まざるを得なくなります。わからないことがあれば、ケアマネジャーや地域包括支援センター、市町村の介護課などに相談してみてください。
両立できている人に共通していること
仕事と介護を無理なく続けている方に共通しているのは、「一人で抱え込まない」という意識です。家族や介護サービス、職場の制度を少しずつ活用しながら、負担を外に出していくこと。それが、長く続けられることの一番の秘訣です。
両立するための3つのポイント
家族で役割を分担する
介護は、一人の人間が全部担うものではありません。「できることをそれぞれが分担する」だけでも、日々の重さはずいぶん変わります。
- 日常的な介護(食事・入浴・排せつなどのサポート)
- 通院への付き添いや移動の手助け
- 各種手続きや関係機関への連絡
- 費用の管理や金銭的な負担
介護サービスを積極的に使う
「全部自分でやらなければ」と思い込んでいませんか?介護保険のサービスは、まさにこうした状況のために用意されています。
- 訪問介護(ホームヘルパー):自宅に来てもらい、身体介助や生活援助をしてもらえます。
- デイサービス:日中、施設で過ごしながら入浴や食事・レクリエーションなどのサービスが受けられます。
- ショートステイ:短期間、施設に宿泊することができます。介護をしている方がまとまった休息を取るためにも使われます。
「週1回だけ」「この時間だけ」という使い方でも、介護をしている方に休息や余裕が生まれます。まず一つ試してみることが大切です。
実際にこんなケースがありました。要介護5で寝たきりの方を在宅で介護しながら働いていたご家族です。訪問介護を毎日3回(食事・排泄介助)利用していましたが、日中の安全確保が追いつかず、「もう仕事を辞めるしかないかも」とおっしゃっていました。そこで、介護保険外の自費サービスによる見守りと見守りカメラの設置、さらに会社と交渉して週3回の在宅ワークに切り替えることができました。カメラで状況を随時確認しながら必要なときに動ける体制を整え、たまにショートステイも使ってまとまった休息も確保。介護離職せずに今も続けられています。「介護か仕事かではなく、仕組みを変えることで両方続けられた」——このケースが教えてくれたことだと思います。
介護経験が少なくても、工夫で両立できる
📋 ケース例:要介護1・近隣に住む親の介護
- 週2回デイサービスを利用して入浴と昼食を済ませる
- 平日のお昼に1時間ほど訪問介護を使って掃除・食事準備・見守りをお願いする
- 月に1回はショートステイを活用して、自分がまとまった休息を取る
- 朝と夜の食事は、温めるだけで食べられるよう事前に準備しておく
このように複数のサービスを少しずつ組み合わせることで、一人で背負わない仕組みを作っていくことができます。
働き方や制度を見直す
仕事の面でも、制度を活用することで負担を減らせる場合があります。
- 介護休業:通算93日まで取得できます。対象家族1人につき3回まで分割して取得することも可能です。
- 介護休暇:単発で休みが取れ、時間単位での取得も可能です。
- 時短勤務・テレワーク:会社によって対応が異なりますが、うまく使えれば介護の合間に対応できる時間を確保しやすくなります。
💡 介護休業給付金について
介護休業を取得する場合、条件を満たせば休業前賃金の67%が支給される「介護休業給付金」という制度もあります。(参考:厚生労働省「介護休業給付金について」↗)
📌 会社への伝え方のポイント
会社に相談する際は、「何に困っていて、どういう配慮が必要か」を具体的に伝えると、周囲もサポートしやすくなります。
介護の負担をさらに軽くする方法
介護保険外のサービスも活用する
公的な介護保険でカバーしきれない部分は、民間のサービスで補うことができます。
- 家事代行(掃除・買い物・食事の準備など)
- 通院への付き添い
- センサーやカメラを活用した見守りサービス
- 栄養バランスに配慮した冷凍宅配弁当などの配食サービス
すべてを導入する必要はありません。「ここだけ助けてもらえると楽になる」という部分から少しずつ取り入れていく形で十分です。
「全部やらなくていい」と自分に許可を出す
すべてを自分でこなそうとすると、限界が早くやってきます。介護は長く続くことがほとんどです。だからこそ、「続けられるペース」を意識することが、結果として家族を長く支えることにつながります。
ご自身を守ることが、介護を続けることにもつながっています。
悩んだときにまずやってほしいこと
- 家族と、介護のことについて話してみる
- 地域の窓口(地域包括支援センター)や専門職に相談してみる
- 介護サービスを一つだけ試してみる
どれか一つでも動いてみると、状況は少しずつ変わり始めます。
地域包括支援センターについて詳しくはこちら。
→ 地域包括支援センターとは?介護初心者が最初に頼るべき相談窓口をわかりやすく解説

まとめ|介護は「仕組み」で続けやすくなる
仕事と介護の両立がつらいと感じているのは、あなただけではありません。大切なのは、家族で分担すること・サービスを活用すること・働き方や制度を調整すること、この3つを組み合わせて「続けられる形」に変えていくことです。
まずは、家族に話してみる、地域包括支援センターに問い合わせてみる——そんな小さな一歩から始めてみてください。その一歩が、これからの負担を大きく軽くしてくれます。
介護を続けていく上で大切な考え方についてはこちら。
→ 【保存版】家族介護で無理しないための考え方|頑張りすぎないコツをやさしく解説
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