【毎月いくらかかる?】介護保険の費用・自己負担の目安をプロが徹底解説

介護初心者向けに介護保険の費用と自己負担の目安について書いた記事のアイキャッチ画像

※この記事は、社会福祉士・介護福祉士として特養・老健などの介護施設で15年以上現場に携わってきた経験をもとに執筆しています。
生活相談員として直接ご家族と面談する立場ではありませんでしたが、現場で数多くのご家族の悩みや不安を近くで見てきました。
制度の詳細や個別の対応については、自治体や状況によって異なります。詳しくはお住まいの地域のケアマネジャーや地域包括支援センターにご相談ください。

「介護費用って、毎月どのくらいかかるの?」 在宅介護を始めたばかりの方が最初にぶつかる、この疑問にお答えします。

一口に介護費用といっても、要介護度・使うサービス・世帯の収入によって大きく変わります。
さらに、知っている人だけが使える軽減制度があり、申請するかしないかで年間数万〜数十万円の差が出ることも。

この記事を読めば、「うちの場合の費用の目安」と「損せず済む申請のポイント」がわかります。まずは全体像を把握するところから始めましょう。

はるぼぼ

「介護が始まったけど、毎月いくらかかるの?」と不安を感じている方はとても多いです。この記事では費用の全体像から、知らないと損する軽減制度まで、わかりやすく解説します!

目次

まずは全体像を把握しよう|在宅と施設で費用はこんなに違う

この記事でわかること
  • 要介護度別の自己負担額の目安
  • 在宅介護・施設介護それぞれの月額費用
  • 費用を抑えるための3つの公的制度

介護にかかる費用は、在宅介護施設介護かによって大きく異なります。まずは大まかな違いを把握しておきましょう。

在宅介護施設介護
月額費用の目安1〜5万円程度7〜35万円程度
介護保険の使い方限度額内でサービス利用施設サービス費として適用
食費・居住費生活費として実費負担(介護保険の対象外)施設が定める実費を負担(負担軽減制度あり)
家族の介護負担大きい比較的小さい

介護保険の自己負担割合は1〜3割

介護保険サービスを使うとき、費用のすべてを自分で払うわけではありません。収入に応じて1割・2割・3割のいずれかを自己負担します。

自己負担割合の確認方法

自己負担割合の確認方法

介護認定後に「介護保険負担割合証」が郵送されます。ここに「1割」「2割」「3割」のどれかが明記されているので、必ず確認しておきましょう。

2割・3割になる目安

自己負担割合対象となる目安(65歳以上)
1割合計所得金額が160万円未満
2割合計所得金額が160万円以上(単身で年金収入が約280万円以上)
3割合計所得金額が220万円以上(単身で年金収入が約340万円以上)
夫婦2人暮らしの場合は基準が変わります

上の表は単身世帯を基準にした目安です。夫婦2人世帯では収入の合算方法が異なり、たとえば2割負担の目安は合計約346万円以上になります。ご自身の世帯状況に合わせて、担当のケアマネージャーや市区町村窓口に確認してください。

詳しくは → 厚生労働省「介護サービス情報公表システム」サービスにかかる利用料

40〜64歳(第2号被保険者)の方へ

40〜64歳の第2号被保険者(特定疾病が原因の場合)は、一律1割負担です。

▶ あわせて読みたい:介護保険の要介護認定の申請方法|初心者でも迷わない手順をやさしく解説
要介護認定後の不安を解消|介護度ごとのサービス・費用・時間が全部わかる

要介護度別|1か月の支給限度額と自己負担の上限

在宅サービスを使う場合、要介護度ごとに「区分支給限度基準額(1か月に介護保険が使える上限額)」が決まっています。この上限を超えた分は全額自己負担になります。

要介護度支給限度額(月)自己負担【1割】自己負担【2割】
要支援150,320円5,032円10,064円
要支援2105,310円10,531円21,062円
要介護1167,650円16,765円33,530円
要介護2197,050円19,705円39,410円
要介護3270,480円27,048円54,096円
要介護4309,380円30,938円61,876円
要介護5362,170円36,217円72,434円

※自己負担額は概算(1単位=10円で計算)です。地域や端数処理により実際の金額は数十円前後する場合があります。

出典:厚生労働省「介護サービス情報公表システム」サービスにかかる利用料

上限額に注意

上の金額はあくまで上限額です。実際の費用は、利用するサービスの種類や量によって変わります。担当ケアマネージャーと相談して、限度額内に収まるケアプランを立てましょう。

地域によって実際の金額は変わります

介護保険は「単位」というポイントで計算されます。上の表は「1単位=10円」の地域(地方など)を基準にした標準額です。東京などの都市部では1単位=10.2〜11.4円になるため、実際の限度額は表より少し高くなる場合があります。

在宅介護にかかる費用の目安

要介護1・2(軽度)の場合

軽度の段階では、週数回の訪問介護やデイサービスを組み合わせるケースが多いです。

要介護2・週3回利用モデルケース(1割負担)
サービス週の利用回数月額目安(1割)
訪問介護(身体介護)週3回6,000〜8,000円
デイサービス週2回5,000〜7,000円
福祉用具レンタル(歩行器等)1,000〜2,000円
合計目安約1.2〜1.7万円

要介護3・4・5(中〜重度)の場合

重度になるほどサービスの利用量が増え、費用も上がります。訪問介護の回数が増えたり、ショートステイ(短期入所)を組み合わせたりするケースも多くなります。

要介護4・フル活用モデルケース(1割負担)
サービス週の利用回数月額目安(1割)
訪問介護(生活・身体介護)毎日15,000〜20,000円
デイサービス週4回10,000〜15,000円
ショートステイ月4泊7,000〜10,000円
福祉用具レンタル(電動ベッド等)3,000〜5,000円
合計目安約3.0〜4.0万円
在宅介護でかかる初期費用も忘れずに

在宅介護を始める際は、月額のサービス費以外に初期費用が発生することがあります。

  • 住宅改修(手すりの取り付け・段差解消など):上限20万円まで1〜3割負担
  • 特定福祉用具の購入(ポータブルトイレ・シャワーチェアなど):年間上限10万円まで1〜3割負担

どちらも介護保険が使えます。担当ケアマネージャーに相談してみましょう。

在宅介護のスタートに必須!福祉用具・住宅改修の費用

在宅介護をスムーズに始めるためには、手すりの設置や介護ベッドの準備など、環境を整える「初期費用」が必要になるケースが多いです。これらにも介護保険が適用され、自己負担は1〜3割で済みます。大きく分けて「レンタル」「購入」「住宅改修」の3つの枠組みがあります。

区分サービス内容の例費用の目安(1割負担の場合)
福祉用具レンタル(月額・上限なし)車いす、電動ベッド、歩行器、床ずれ防止マットレスなど月々 1,000円〜5,000円 程度(種類による)
特定福祉用具の購入(年間上限10万円まで)ポータブルトイレ、シャワーチェア、移動用リフトの吊り具など1点あたり 数千円〜2万円 程度
住宅改修(リフォーム)(原則一生涯で20万円まで)手すりの取り付け、段差解消(スロープ)、和式から洋式トイレへの変更など工事費総額20万円の場合:自己負担 2万円
購入や工事の前に必ずケアマネジャーに相談を!

ポータブルトイレなどを指定店以外で普通に買ってしまったり、ケアマネジャーを通さずに勝手にリフォーム工事をしてしまうと、介護保険が一切使えず全額自己負担(10割負担)になってしまいます。必ず事前にケアマネジャーや地域包括支援センターに「これを買いたい」「ここを直したい」と相談してください。

在宅介護で必須な福祉用具と住宅改修の使い方について一つの家を例にイラストにしました
はるぼぼ

在宅介護は費用が抑えられる分、家族の介護負担が大きくなりやすいです。無理のない範囲でサービスを組み合わせることが大切ですよ。

▶ あわせて読みたい:介護サービスの種類と選び方|初心者でも迷わない基本ガイド
在宅サービスとは?自宅で生活を続けるための支援をやさしく解説
訪問介護(ホームヘルプ)の使い方完全ガイド
ケアマネジャーとは?役割と選び方をわかりやすく解説

施設介護にかかる費用の目安

施設に入居する場合、介護サービス費に加えて「食費・居住費・日常生活費」が別途かかります。施設の種類によって費用は大きく異なります。

施設の種類月額費用の目安入居一時金こんな方に向いている
特別養護老人ホーム(特養)7〜15万円ほぼなし要介護3以上・費用を抑えたい
介護老人保健施設(老健)12〜20万円ほぼなしリハビリして在宅復帰を目指したい
介護付き有料老人ホーム15〜35万円0〜数千万円手厚いサービスを求める
グループホーム15〜25万円0〜数百万円認知症で少人数ケアを希望

特別養護老人ホーム(特養)

公的施設のため費用が低め。ただし原則として要介護3以上でないと入居できず、人気が高いため待機期間が長くなりやすいです。

要介護1・2でも入居できるケースがあります

「特例入所」という制度があり、要介護1・2であっても、認知症の症状が重い場合や家族からの虐待など、やむを得ない事情がある場合は入居が認められることがあります。詳しくは市区町村の窓口に相談してください。

多床室と個室で費用が変わります

特養の居住費は居室タイプで大きく違います。多床室(4人部屋)は月1万円以下、個室(ユニット型)は月5万円前後が目安です。

介護老人保健施設(老健)

在宅復帰を目的としたリハビリ施設。平均入所期間は3〜6か月程度で、「退院後から特養入居まで」の橋渡しとして利用されることが多いです。長期的な入所は基本的に想定されていません。

介護付き有料老人ホーム・グループホーム

民間施設のため費用の幅が大きく、立地・サービス内容によって異なります。入居一時金ゼロの施設も増えていますが、月額費用が高めになる傾向があります。

施設の費用は介護サービス費だけではありません

施設の費用は「介護サービス費」だけでなく、食費・居住費・日常生活費が上乗せされます。さらに、医療費(往診代・薬代)・散髪代・おむつ代(有料ホームなどでは実費のことが多い)が別途かかるケースも。見学時は「月にトータルでいくらかかるか」を必ず確認しましょう。目安として、記載の月額費用+数万円を見込んでおくと安心です。

施設介護の費用の目安について簡単に説明するイラスト

▶ あわせて読みたい:介護がつらいと感じたら|施設入所のタイミングと選び方
ショートステイとは?仕組みから使い方・よくある不安まで、やさしく解説

知らないと損!介護費用を抑える3つの制度

①高額介護サービス費

1か月の自己負担合計額が下表の上限を超えた場合、超えた分が後から払い戻される制度です。

所得区分月額上限
生活保護受給者等15,000円(個人)
市区町村民税非課税・年金収入82.6万円以下等24,600円(世帯)/15,000円(個人)
市区町村民税非課税・その他24,600円(世帯)
課税世帯(一般・年収約383万円未満など)44,400円(個人)
現役並み所得世帯(年収約383万〜770万円など)44,400円(世帯)
現役並み所得世帯(年収約770万〜1,160万円)93,000円(世帯)
現役並み所得世帯(年収約1,160万円以上)140,100円(世帯)

出典:厚生労働省「介護サービス情報公表システム」サービスにかかる利用料

申請はどうする?

初回のみ、市区町村の窓口への申請が必要です。一度申請すれば、翌月以降は自動的に支給されます。担当のケアマネージャーに相談すると手続きがスムーズです。

②高額医療・高額介護合算制度

医療費と介護費を合算して、年間(8月〜翌7月)の上限額を超えた場合に払い戻される制度です。医療と介護の両方を使っている世帯に特に有効です。

合算上限額について

合算の上限額は世帯の所得・加入している医療保険の種類によって異なります。詳細はお住まいの市区町村窓口にお問い合わせください。

③補足給付(特定入所者介護サービス費)

施設に入所している方の食費・居住費を軽減する制度です。市区町村民税非課税世帯であり、かつ預貯金などの資産が一定額以下(段階によって異なる)の場合に対象となる可能性があります。

資産要件があります

収入が少なくても、預貯金が多い場合は対象外になることがあります。単身の場合、預貯金の基準はおおむね500万〜1,000万円以下(※令和8年の改定に準拠)(段階によって異なります)。「うちは該当しないかも」と思わず、まず窓口で確認してみましょう。

詳しい段階区分と負担限度額 → 厚生労働省「介護サービス情報公表システム」特定入所者介護サービス費(補足給付)

申請しないと1円も戻りません!

これらの制度は申請しなければ適用されません。「もらい忘れ」が非常に多い制度でもあります。世帯の人数や資産状況によっても条件が変わるため、まずは担当ケアマネージャーや市区町村の窓口に相談して、必ず手続きを行いましょう。

介護費用を抑えるために申請するべき3つの制度の簡単な説明イラスト

介護保険の費用に関するよくある質問(Q&A)

最後に、介護費用について現場や相談窓口でよくいただく質問をまとめました。

親と別居していても、仕送りや介護費用を払っていれば軽減制度の対象になりますか?

「世帯の住民票」が基準になるため、別居していれば親御さん単独の収入・資産で判定されます。高額介護サービス費や補足給付(施設の食費・部屋代軽減)などは、原則として「同じ住民票にいる世帯全員の所得」で計算します。そのため、子世代にしっかりとした収入があっても、親御さんが一人暮らし(または高齢夫婦のみ)で非課税世帯であれば、軽減制度の対象になる可能性が非常に高いです。

要介護度が上がると、毎月の自己負担額も必ず高くなりますか?

使える上限(限度額)は上がりますが、実際に支払う金額は「使うサービスの量」で決まります。要介護度が上がったからといって、基本料金が自動的に何倍にもなるわけではありません。たとえば、要介護3になっても「週2回のデイサービスと少しの福祉用具レンタルだけ」というように、利用量が変わらなければ、毎月の支払いは要介護1のときとそれほど変わりません。

介護保険の費用は確定申告の「医療費控除」の対象になりますか?

サービスの種類によって、対象になるものとならないものがあります。

  • 対象になる例:訪問看護、リハビリ、医療系のショートステイ、特別養護老人ホーム(自己負担分の2分の1)や老健の施設サービス費など
  • 対象外の例:福祉用具レンタル、住宅改修、生活援助中心の訪問介護など

毎年1本にまとまった「領収書」に医療費控除の対象額が明記されています。確定申告まで大切に保管しておきましょう。

まとめ

この記事のまとめ
  • 在宅介護の自己負担は月1〜5万円程度、施設介護は7〜35万円が目安
  • 自己負担割合(1〜3割)は「介護保険負担割合証」で確認
  • 要介護度が上がるほど使えるサービスの上限額も上がる
  • 高額介護サービス費・補足給付などの軽減制度は必ず申請
はるぼぼ

「思ったよりかからないんだ」と感じた方も多いのではないでしょうか。制度をしっかり活用すれば、自己負担はかなり抑えられます。まずはケアマネージャーに費用の見通しを相談してみてください。

▶ あわせて読みたい:【完全ガイド】介護が始まったら何をすればいい?初心者でも迷わない全体の流れ
地域包括支援センターとは?介護初心者が最初に頼るべき相談窓口をわかりやすく解説

読んでみてどうだったかな?という感想や、「今日も疲れたよ」と言った軽い一言、
これってどうなの?という疑問など下のコメント欄に自由に残していってくださいね。
仕事の合間や休みの日にでも、大切に読ませていただきます。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

はじめまして、当ブログを運営している「はるぼぼ」と申します。

私はこれまで、社会福祉士・介護福祉士として、15年以上にわたり介護の現場に携わってきました。

これまで経験してきた環境は多岐にわたります。

知的・身体障がい者施設

介護老人保健施設(老健)

デイサービス、高齢者グループホーム

医療的ケアが必要な方のグループホーム

訪問介護(ホームヘルプ)

このブログでは、「無理をしない介護」をコンセプトに、私の経験を活かして、少しでも介護が楽になる考え方や便利なサービス、具体的な方法を分かりやすくお伝えしていきます。

介護が始まったばかりで「どうすればいいか分からない」と不安を感じている方にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。

コメント

コメントする

CAPTCHA


このサイトは reCAPTCHA によって保護されており、Google のプライバシーポリシー および 利用規約 に適用されます。

reCaptcha の認証期間が終了しました。ページを再読み込みしてください。

目次