📋 この記事について
この記事は、介護の始め方を全体像として明確できるまとめ記事です。制度・手続き・サービス選びの流れを一通り把握できます。
📅 この記事の情報は2026年4月の最新制度改定に基づき作成しています。最新情報は各自治体や厚生労働省のウェブサイトでご確認ください。
「親が突然倒れた」「最近様子がおかしい」——そんなとき、何から手をつければいいか、わからなくて当然です。
介護は、知識がなければ迷うことだらけ。でも、最初の流れさえ押さえておけば、一歩ずつ進むことができます。
この記事では、社会福祉士・介護福祉士として15年以上現場で働いてきた経験をもとに、介護が始まったときにやるべきことを5つのステップで解説します。
「全部一気にやらなければ」と焦る必要はありません。まずはこの流れを知るだけで、次に何をすればいいかが見えてきます。

この記事でわかること
- 介護が始まったときの基本の5ステップ
- 地域包括支援センターへの相談の仕方
- 介護保険の申請から認定までの流れ
- 要介護認定後にやるべきこと
- 仕事と介護を両立するための制度
- 費用が心配なときに使える制度
まず知っておきたい「5ステップの全体像」
介護が始まったら、基本的に次の順番で動いていきます。
把握する
共有する
連絡する
申請する
利用する
この流れを頭に入れておくだけで、「今自分はどこにいるのか」「次は何をすればいいのか」が見えてきます。では、それぞれのステップを詳しく見ていきましょう。
ステップ① 状況を把握する

まず最初にやることは、現在の状況を大まかに整理することです。次の3点を確認してみてください。
- 今どのくらいの介助が必要か
- 本人が一人でできることはどれくらいあるか
- どんな場面で困っているか
このとき、完璧に把握しようとしすぎないことが大切です。「ちゃんと全部把握しなければ」と考えすぎると、かえって何が一番困っているのかがわからなくなってしまいます。大まかな把握で十分です。
「全部わからなくても大丈夫」という気持ちで。まず大まかな把握から始めましょう。
また、「なんかいつもと違うな」と感じたことは、メモに残しておく習慣をつけておくといいでしょう。後から行われる要介護認定の調査で、日頃の様子を伝える際にとても役立ちます。
「最近転びそうになっていた」「夜中に起きることが増えた」など、気になったことをスマホのメモに残しておくだけでOKです。後の認定調査で必ず役立ちます。
ステップ② 家族で状況を共有する
状況が大まかに把握できたら、家族で情報を共有することが次のステップです。
介護を一人で抱え込むと、心も体もしんどくなります。最初の段階から「誰がどこまで関われるか」「どのくらいサポートできるか」を家族で話し合っておきましょう。
話し合いで確認しておきたい3つのこと
「施設には入りたくない」「できるだけ自宅にいたい」など、本人がどう思っているかを把握しておくことが大切です。本人が元気なうちに、さりげなく聞いておけると理想的です。
親の年金や貯金で、どのくらいの費用を賄えるか、概算で構いません。介護サービスには費用がかかるため、早めに把握しておくと後の判断がしやすくなります。
働いている家族がいる場合、会社の介護休業・介護休暇制度を確認しておきましょう。詳しくは後述の「ビジネスケアラー向け情報」をご覧ください。
最初から完璧な役割分担は不要
「誰が何をするか」を最初から完璧に決めようとしなくて大丈夫です。介護の状況は変化していくため、段階的に調整していけば十分です。「できないことはサービスで補える」という考え方で、無理のない範囲から始めましょう。
ステップ③ 相談先に連絡する

家族で話し合ったら、次は専門家に相談するステップです。
地域包括支援センターに相談する
介護のことで困ったら、まず連絡してほしいのが地域包括支援センターです。地域包括支援センターは、各市区町村に設置されている介護の総合相談窓口で、基本的に無料で相談できます。
相談できる内容は、たとえばこんなことです。
- 「何から始めればいいかわからない」
- 「どんな制度が使えるか教えてほしい」
- 「今後の流れを教えてほしい」
「まだ介護保険の申請もしていない」という段階でも、気軽に相談できます。まずは電話一本かけてみることから始めてみてください。
2024年度の制度改正について
2024年度より、介護事業所のウェブサイトへの情報公表が原則義務化されました。ケアマネジャーを選ぶときは「情報公開をしているか」「オンライン面談に対応しているか」も確認するとよいでしょう。
ステップ④ 介護保険を申請する
相談と並行して、介護保険の申請を進めましょう。介護サービスを利用するには、まず要介護認定を受ける必要があります。
申請前にかかりつけ医を受診しておく
申請の際には、主治医の意見書が必要になります。かかりつけ医がいない場合は、申請前に近くの病院(内科など)を受診しておきましょう。
受診の際には、「物忘れが増えた」「お風呂を嫌がる」など日頃の困りごとをメモにまとめて持参すると、医師に状況を正確に伝えられます。
申請から認定までの流れ
申請から認定まで、通常30日程度かかります(市区町村によって異なります)。
認定調査のときに気をつけること
認定調査では、高齢の方は「良いところを見せようとしてしまう」傾向があります。普段は難しいことでも、調査員の前ではできてしまうことがあるのです。
日頃の困りごとや様子をメモにまとめて調査員に渡しましょう。本人に知られないように事前に準備しておくと安心です。
認定を待たずにサービスを使いたい場合
認定結果が出る前でも、「暫定ケアプラン」を作成してサービスを利用することができます。ただし、認定結果によっては費用負担が変わる場合があるため、ケアマネジャーや地域包括支援センターに事前に確認しておきましょう。
暫定ケアプランでサービスを利用した後、認定結果が「非該当(自立)」または想定より軽い認定だった場合、すでに利用したサービス費用が全額自己負担(10割負担)になるリスクがあります。利用開始前に、ケアマネジャーや地域包括支援センターに必ずリスクを確認しましょう。
ステップ⑤ 介護サービスを利用する
要介護認定の結果が届いたら、いよいよサービスの利用へ進みます。
認定結果によって相談先が変わる
| 認定結果 | 相談窓口 |
|---|---|
| 要介護1〜5 | 居宅介護支援事業所のケアマネジャーに相談し、ケアプランを作成 |
| 要支援1・2 | 引き続き地域包括支援センターが担当。介護予防ケアマネジメントの形でサポート |
介護サービスの種類
介護サービスは大きく3つに分類されます。
在宅サービス(自宅で受けるサービス)
訪問介護(ヘルパー)、デイサービス、ショートステイ など
施設サービス(入所するサービス)
特別養護老人ホーム、介護老人保健施設 など
地域密着型サービス
小規模多機能型居宅介護、認知症対応型グループホーム など
どのサービスが適しているかは、本人の状態や生活スタイルによって異なります。ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談しながら、無理のないサービスを選んでいきましょう。
介護DX(テクノロジーの活用)
近年は、介護にテクノロジーを活用する動きが広がっています。
- カメラやセンサーを使った見守りサービス
- 介護用アプリによる記録・情報共有
- AIを活用したケア記録の自動化
遠方に住んでいて頻繁に会いに行けない場合でも、見守りカメラなどで様子を確認できるようになっています。
知っておくと安心!サポート制度
5ステップと並行して、知っておくと役立つ制度を2つご紹介します。
仕事と介護を両立するために(ビジネスケアラー向け)
現在、仕事をしながら介護をする「ビジネスケアラー」は社会的に大きな課題になっています。介護を理由に仕事を辞める「介護離職」を防ぐために、以下の制度を確認しておきましょう。
対象家族1人につき、通算93日まで、3回に分けて取得できます。雇用保険から給付金も支給されます。
年に5日(対象家族が2人以上の場合は10日)取得できます。通院の付き添いや手続きなど、短期間のサポートに活用できます。
まずは会社の人事担当者に確認するか、就業規則を確認するところから始めてみてください。
費用が心配な方へ:高額介護サービス費
介護サービスの費用が心配な方に知っておいてほしい制度が、「高額介護サービス費」です。
- 1か月の自己負担額に上限が設けられている
- 上限額は所得に応じて異なる
- 上限を超えた分は後から払い戻しされる
サービスの利用を始める前に、ケアマネジャーや地域包括支援センターに「費用の上限制度について教えてほしい」と伝えてみてください。

まとめ
介護が始まったときにやるべきことを、5つのステップで解説しました。
- ステップ① 状況を把握する
- ステップ② 家族で状況を共有する
- ステップ③ 相談先に連絡する
- ステップ④ 介護保険を申請する
- ステップ⑤ 介護サービスを利用する
最初から全部完璧にやろうとしなくて大丈夫です。
一人で抱え込まず、地域包括支援センターやケアマネジャーなど、頼れる専門家を早めに味方につけることが、長く介護を続けるための一番の近道です。
まずはステップ①から一つずつ、できることから始めてみてください。
読んでみてどうだったかな?という感想や、「今日も疲れたよ」と言った軽い一言、
これってどうなの?という疑問など下のコメント欄に自由に残していってくださいね。
仕事の合間や休みの日にでも、大切に読ませていただきます。

コメント